土産だと言って手渡されたのは白くて可愛い猫のぬいぐるみ。
抱き上げて、抱き締めて、可愛いあるー! と頬擦りをした。
弟はくすりと笑みを零して「気に入って頂けて嬉しいです」と肩を震わせながら言う。

「日本、日本」

キティちゃんの手をちょいと摘んで、おいでおいでと手招いた。
何でしょうかと膝を進め、距離を詰める小柄な身体をぬいぐるみごと抱き締める。
驚いたように身体を強張らせ、中国さん!? と頓狂な声。

「キティちゃんも可愛いあるが、日本はもっと可愛いあるよ」

ぎゅうっと強く抱き締めると「苦しいです」と日本が言った。
ほんの少しだけ力を緩めて、けれど決して離さぬように。
仄かに頬を赤く染め、日本ははにかむように笑った。
とても愛らしい表情で、花が開くようにふんわりと。





誰もが認める可愛さあるよ。
それこそ我のキティちゃんみたいに!










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